人気脚本家・北川悦吏子が初メガホン…ハルフウェイ

人気脚本家・北川悦吏子が初メガホン…ハルフウェイ

「ロングバケーション」「ビューティフルライフ」で知られる人気脚本家・北川悦吏子のドラマで描かれる物語にあこがれた人は多いはずだ。私が「あすなろ白書」に心ときめいたのは１５歳の秋だった。あれから１５年あまり。北乃きいと岡田将生を起用した彼女の初監督作は、王道ラブストーリー。こっちが気恥ずかしくなるような甘酸っぱい物語が誕生した。ヒロ（北乃）とシュウ（岡田）は北海道の高校３年生のカップル。地元の大学に進学するヒロに、シュウは早稲田大に進みたい気持ちを言い出せない。それを知ったヒロに気持ちをぶつけられ、思い悩んだシュウは東京行きをあきらめる。それがまた、ヒロにはもどかしい…。「半径２５メートル以内に近づくとフー。こんなんじゃ壊れるよ」などのセリフに、三十路男の記者もキュンキュンさせられる。北乃と岡田が自然でみずみずしく、心臓の音さえ聞こえてきそう。それもそのはず、セリフはアドリブばかりなのだ。プロデューサーを務める岩井俊二監督の作品に倣ったのか、教室や河原に差し込む太陽光が美しく、狭い世界でふたりが生きる実感を強くしてくれる。北川ドラマ「君といた夏」でデビューした大沢たかお、「オレンジデイズ」で大学生だった成宮寛貴と白石美帆の教師役も時の早さを感じる。若いって素晴らしい。さわやかすぎるなんて思わずに、純粋な気持ちで見たいもの。リアルタイムで恋する皆さんはもちろん、青春時代ははるか遠くに去ってしまったお父さん、お母さん。久々に胸の高鳴りを呼び起こしましょう。◆監督・脚本 北川悦吏子。２１日からシネ・リーブル梅田ほかで公開。８５分。（2009年2月17日11時29分スポーツ報知）

[引用元：スポーツ報知]

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